【レポート】AWS クラウドマイグレーション成功への道〜 クラウド移行トータル支援プログラムのご紹介 〜(AWS-01) #AWSSummit
こんにちは、ネクストモードの南です。
この記事は、5月25日に行われた AWS Summit Online 2021 のオンラインセッション『AWS クラウドマイグレーション成功への道〜 クラウド移行トータル支援プログラムのご紹介 〜(AWS-01)』のセッションレポートとなります。
セッションのアーカイブも公開されますので、詳細はそちらをチェックしてください。
ご興味を持たれた方は、ぜひ AWS Summit Online のサイトに公開されている資料もご確認ください。(登録が必要です。)
AWS クラウドマイグレーション成功への道〜 クラウド移行トータル支援プログラムのご紹介 〜(AWS-01)
セッション概要
本セッションでは、クラウドマイグレーションを成功させるためのポイント、及びクラウドマイグレーションを推進するお客様にAWSが提供する包括的な移行支援プログラム「IT トランスフォーメーションパッケージ(ITX2.0)」の支援メニューと使いどころについてご説明いたします。
登壇者
AWS マイグレーション&モダナイゼーション事業開発本部
シニアマイグレーションスペシャリスト 清水 八重 氏
レポート
本セッションの概要
- クラウドマイグレーションの成功のポイント
- クラウド活用による脱炭素化社会への貢献
- クラウドマイグレーションを支援するプログラム「ITトランスフォーメーションパッケージ2.0」の紹介
クラウドマイグレーション成功のポイント
- 非技術的な取り組みが重要となってくる
- リーダーによるコミットと社内外への宣言
- 移行プロジェクトのリーダーの任命、クラウドチーム(CCoE)の設立と教育
- トップダウンでの計測可能なゴールの設定
- 早く沢山経験を積む
クラウド移行は脱炭素化に大きな効果がある
- 企業データセンターからクラウドに移行することによるCO2削減の効果が大きい
- クラウドサーバーの使用でサーバーのエネルギー効率が5倍以上になる
クラウドマイグレーションの道のり
- まずはStage1、2を目指し、人的リソースなどに余裕が出たらStage3を目指す、という方針が現実的
- Stage1 リロケート
- 持たないITへの変革
- 移行コストはかからないが、クラウドによるメリットは限定的
- Stage2 リフト&シフト
- クラウドメリットの享受
- Stage3 モダナイゼーション
- クラウドネイティブなアーキテクチャへ
- 移行コストがかかる
AWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0
AWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0とは
- クラウドマイグレーションを包括的に支援するためのプログラム
- クラウドマイグレーションには評価、準備、移行の3つのフェーズがある
- AWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0では、各フェーズの課題に対して支援プログラムを提供する
評価フェーズのご支援プログラム(無償)
- クラウドエコノミクス
- 現行の環境とAWS移行後のTCO(総保有コスト)を比較するプログラム
- マイグレーションレディネスアセスメント(MRA)
- クラウド移行の準備状況を6つの指標で評価し、必要な場合は対策を提案するプログラム
- アプリケーションポートフォリオアセスメント(APA)
- システムのクラウド移行の難易度や適合度を評価して、適切な移行パターンを提案
準備フェーズのご支援プログラム
- クラウド推進組織(CCoE)確立支援プログラム
- CCoE:Cloud Center of Excellence
- クラウド推進組織(CCoE)とは、社内のクラウド利活用を推進するミッションを持ったチーム
- 立ち上げの際はインフラ部門だけではなく、組織横断的に様々な部門を巻き込むことがポイント
- クラウド推進組織(CCoE)立ち上げ時には、Tech/Non-Techの観点での準備が必要
- Tech:コアメンバーの育成、クラウドの知識を体系的につける
- Non-Tech:KPIの設定や役割や責任範囲の定義など
- ITXパッケージ2.0に含まれる支援内容
- Tech:AWSトレーニングバウチャーの提供(SAAトレーニング3名分相当)
- Non-Tech:AWSプロフェッショナルサービス(有償)の費用を一部サポート
- パイロット移行実施プログラム(EBA)
- EBA:Experience-Based Acceleration
- ワークショップ形式でAWSの担当者と一緒に移行作業を実施するプログラム
- EBA People Party
- AWSの担当者がファシリテートする形で、CCoEのあるべき姿の意識合わせをするワークショップ
- 移行プロジェクトのサポート
- 移行プロジェクトの規模に応じて支援が可能
- 人的育成支援:プロジェクトの規模に応じて3名以上のトレーニングを提供
- CSMによるCCoE支援:AWSのCSM(Customer Solutions Manager)がCCoEの相談役として、より深くプロジェクトの推進を支援
- 移行プロジェクトの規模に応じて支援が可能
移行フェーズとそれ以降のご支援プログラム
- ファイナンスインセンティブ「MAP2.0クレジット」
- 移行により発生したAWSの利用費について、3年間一定割合のAWSクレジットを提供
- IT Divest
- クラウド移行に伴い不要になるハードウェアの買取を仲介
- AWS Customer Carbon Footprint Tool
- CO2排出量をAWSの利用実績に基づきモニタリング、将来予測を提供
- モダナイゼーション(EBA)
- 体験型ワークショップで、モダナイゼーション移行を経験
- Cloud Financial Management(CFM)
- マイグレーション後もCost Explorerでデータを収集/分析し、コスト削減を提案
- AWSの適切な利用により、継続してコスト最適化を図る
- Financial Hackathon(FinHack)で組織横断的なコスト最適化の仕組みを作る
まとめ
- クラウドマイグレーションはDXを推進させる
- 準備フェーズが最大のポイントなので、しっかりとした準備を
- CCoE設立、メンバーの育成、移行計画の策定など、やるべきことは多い
- ITXパッケージ2.0を活用して、脱炭素化とコスト削減を両立してマイグレーションを推進することが可能
- マイグレーション後もCFMやEBAを活用して、コスト削減とクラウドネイティブ化を目指す
感想
本セッションは、AWSのクラウドマイグレーションに対する考え方と具体的な支援内容であるITトランスフォーメーションパッケージ2.0の全体像を掴むことができる内容となっており、クラウド移行に対して課題を感じている方にとって有用なセッションだと感じました。
ITトランスフォーメーションパッケージ2.0はクラウド移行の評価・準備・移行フェーズにおける課題に対してトータルにアプローチすることが可能であり、非常に効果的なプログラムです。特に難所である準備フェーズのサポートに力を入れており、実践的な支援内容になっていると感じます。
クラウド導入の検討をこれから行う予定の方や、クラウド移行を始めたものの思ったように進まない場合には、ぜひ本セッションを一度ご覧ください。